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通貨は密閉された容器に封入された液体に混入している気泡の様な物であり、存在していると思い込んでいる価値が、丁度通貨の総量の分だけスッポリ抜けている。

これが、通貨を用いている社会と用いていない社会の本質的な違いであり、従って、通貨を用いる事によって、全体として不足しているにもかかわらず、足りていると錯覚し、気が楽に成る。

電子マネーの事を考えれば分かる様に、硬貨や紙幣など物質の通貨を使うか否かは問題ではない。
要は、それと同等の約束が通用しているか否かだ。
物質の通貨が存在しなくても、そういう約束が通用している社会は、物質の通貨を用いている社会と、本質的には同じである。

言い方を変えると、通貨の総量は、
(消費するつもりの価値の合計) - (生産するつもりの価値の合計)
であり、この様に表現すれば、消費する分だけ生産しなければ足りない、という当然の道理に反する偽りの安心を通貨が我々に与えてくれている事が分かる。

各個人について、
(今から死ぬまでに消費するつもりの価値)
  = (今から死ぬまでに生産するつもりの価値) + (今持っている通貨)
という式が成り立つので、この式を全ての個人に渡って足し合わせれば、大雑把に言って、
(消費するつもりの価値) = (生産するつもりの価値) + (通貨の総量)
という式が得られる。

人によって死亡年月日が違うし、おカネを使い切らずに死んで行くかもしれない。
しかし、逆の言い方をすれば、貨幣経済は自分が破綻しない事を、それに頼んでいるのだ。


容器の中に気泡が入っているので、液体の体積は、容器の容積よりも小さい。
個人に着目すれば、液体の体積の分だけ他者に供給して稼ぎ、そうして得たおカネと、元々持っている気泡分のおカネを合わせて、購入するつもりでいる。
しかし、それでは全体として、供給するつもりの量が購入するつもり量よりも小さく成ってしまって、アテが外れる。
これは、
第1種のペテンによって生じる弊害だ。
経済が破綻しない為には経済成長が必要だ、とされるのは、この為かも知れない。



15日@2012年01月@日記 貨幣の起源
16日@2012年01月@日記 貨幣の動力学
17日@2012年01月@日記 貨幣の動力学(2)
18日@2012年01月@日記 第1種のペテン
19日@2012年01月@日記 不減債務の意味するもの
(この記事で第2種のペテンと呼ばれている問題を第1種のペテンに含める様に、考え方を改めました)
22日@2012年01月@日記 通貨制度の原罪
23日@2012年01月@日記 置き貨幣
26日@2012年01月@日記 訂正
02日@2012年02月@日記 除去不可能な特異点
03日@2012年02月@日記 通貨バブル経済
29日@2012年02月@日記 通貨の総量は陸地の総面積みたいなもの
31日@2012年10月@日記 職業の起源
30日@2014年01月@日記 通貨の総量の意味
27日@2014年02月@日記 第1種のペテンの現代版


最終更新2016年01月30日