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2014年08月16日(土曜日)
負担の科学(宇田経済学の話の続き)

[膠着定理]
益種格の個数が有限で、負担指数の個人差が存在しないならば、自給自足状態から、益を売って得た代金で売った益よりも負担率が大きい益を購入した人が1人でも居るならば、それ以外の人の中に、益を売って得た代金で売った益よりも負担率が小さい益を購入した人が、必ず少なくとも1人は居る。

膠着定理により、自給自足状態からでは、取引は開始されず、いつまで経っても無取引自給自足状態が続く、と言える。
なぜなら、益を売って得た代金で売った益よりも負担率が小さい益を購入する、という事は誰もしないからだ。

[第1斥力]
自給自足で消費していた益の一部または全部を自給できず購入する必要。

第1斥力は、ルールとして課せば侵略であるが、現状では既得権を保護する必要から必然的に生じている面がある。
第1斥力と対比して、第2斥力と呼ばれるべき物は、おそらく犯罪(=ルール違反)の存在だろう。
斥力については、
2014年01月27日の記事に書かれています。

第1斥力が既得権を保護する必要から生じているならば、これを正当裡に除去する事は不可能である。
その場合には、第1斥力の効果を中和する様に
赤銭ルールを決める、というのが正しい。

自給自足状態からでは取引は開始されないが、第1斥力の存在を前提とするならば、取引は行われ続けるので、昨日の記事の前半の計算結果が意味を持つ。
また、自給自足状態では自分で生産するのが無理だった益の売買についてだ、と考えても、昨日の記事の前半の計算結果は意味を持つ。

昨日の記事には「f < 1ではLiが小さいiほどπi(f)が大きく成って変だ」と書いたが、その時にはci=εLi/fiεfiのLi依存性を見落としていた。
また、0からfiまで積分して1に成る、という規格化条件がπiには課されているわけだから、大雑把に言って、大きなfに対してπi(f) > πk(f)ならば必然的に小さなfに対してはπi(f) < πk(f)に成らざるを得ず、Li > Lk なるiとkに対しては全てのfに渡ってπi(f) > πk(f)と考える事は、規格化条件に反するので間違っている。
Li→0 でαiの売り上げの期待値Li[ε/(1+εLi)]fi→0と成る事を見ても、ますます、非常にもっともらしいπiが求まっている、と言える。

ε=1/L0として、出荷量に占める売れた量の割合x=f/fiの関数としてπi(f)を書き直すと、負担率Lの益種格の出荷量に占める売れた量の割合がxに成る確率密度は、次式で表される。


π(x) = (L/L0)x-1+L/L0


π(x)は、0から1まで積分すると1に成る。
昨日の計算結果を翻訳すると、
xの期待値=(L/L0)/(1+L/L0) だと分かる。
L = L0とするとxの期待値=1/2に成るから、L0は出荷量の丁度半分が売れ半分が売れ残る傾向を持った益種格の負担率だ、と言える。
そこで、L0を「
半売性益種格の負担率」と呼ぶ事にする。
L0は経済定数だと考えられる。

市場統計を実測する事によって、どれが半売性益種格かを特定する事が出来る。
それが特定できれば、その益種格の生産過程を克明に分析し、その明細を作る事によって、負担率の具体的な値を見積もる事が出来る。
まず、この段階で、複数の半売性益種格の生産過程の明細を突き合わせて比較し、そこに不整合や矛盾が無いかチェックする事によって、個々の負担の見積もりの妥当性を検証できる。
次に、市場統計を実測する事によって、他の色々な益種格のxの平均値を収集する。
また、それらの益種格の生産過程を克明に分析し、その明細を作る事によって、負担率の具体的な値を見積もる。
以上の結果に含まれる不整合や矛盾を見付けて修正して行けば、L0の具体的な値を割り出し、さらに生産過程の分析による負担率の見積もりの根拠と成る理論を作る事が出来るだろう。
その際には、π(x) = (L/L0)x-1+L/L0 という上掲の式も検証の対象に成る。
間違っていれば、修正する必要が有る。

理論的には、売り上げの合計の期待値が自給自足での生産量の合計に等しいならば、売れ残りの期待値の分だけ負担の期待値が自給自足の負担よりも大きく成る、という条件からπを決めるべきだ。
上掲の式 π(x) = (L/L0)x-1+L/L0 がそう成っているかチェックする必要が有る。
成っていなければ、もっと正確な関数を求める問題が残る。

競争が、負担率の小さい益の供給者の地位の奪い合いであろうが、譲らせ合いであろうが、負担率の大きい益の供給者の地位の押し付け合いであろうが、表向きのやり方が何であろうと、表に出ている事だけから底意での競争の実態を科学的に解明する、というコンセプトを、このページで提示できたと思う。

表に出ているデータだけに基づいて隠された真実を理論的に探り当てる、という考え方は、犯罪捜査にも応用できるのではないか、と思う。
ガウスの法則を使って電場の表面積分から内部に含まれている電荷を求める、みたいなイメージだ。
また現行の制度で言うと、外形標準課税の考え方に通じる所が有りそうだ、と感じます。


宇田経済学@持論@学問