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2012年01月21日(土)
貨幣増刷無償配布の問題点
主君が貨幣を鋳造して行使すると、後々その貨幣で税が支払われたとしても、実質上の増税(または国債発行)効果が出てしまうのだった。
そこで、新規に鋳造した貨幣を、臣民に無償配布したらどうか?
その場合には、経済全体は、自分自身から徴収する事に成り、増税には成らない。
貨幣には価値は無いので、経済全体が主君から受益したのでもない。

しかし、配布を受けた人の各々が、経済全体の中の自分以外の部分から徴収する事に成る。
これは、自分に配布された貨幣で購買したら、その貨幣が回り回って後々で、誰かが自分から何か買うのに使われるとしても、そうだ。
配布された人の各々を主君のごとく見なせば、そう成る事が分かる。

臣民の各々は、徴収すると同時に徴収されるので、徴収した分だけ徴収されるならば、単なる景気刺激策で無害かも。
しかし、実際には、徴収した分だけ徴収される、という風には成らないだろう。
少なくとも、徴収した分だけ徴収される、という事が、制度的に保証されない。
これに対して、臣民間の与受益の際にのみ受益者から与益者に貨幣が渡される、というルールは、どの臣民も、与益した分だけ受益する、受益した分だけ与益する、という結果を、保証する。

つまり、
貨幣無償配布の第1の問題点は、第1種のペテンに由来する徴収効果の意味で、臣民の各々が他から徴収した益と他から徴収された益が等しく成らない事だ。

貨幣無償配布の問題点として、直ぐに思い浮かぶのは、誰にどの程度配布するか、という問題だろう。
これは、配布された貨幣で購買した時の受益量に着目して、公平にという事が難しいではないか、という問題意識だと思う。
それも問題ではある、と思う。
しかし、誰かが不当に得をしてしまう、という問題よりも、誰かが不当に損をさせられる、という問題の方が、重要だ。
その意味で、この問題よりも、徴収の不均衡の問題の方が、重要だろう。

ただし、ここでは、貨幣を貯蓄する事は、考えに入れていない。
また、私は、貨幣価値の変動については、まだ考えに入れていない。