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2006年11月11日(土)雨
学会発表旅行記-7-
10月30日朝、目覚まし時計の音で起きた。
いよいよ僕が発表する日だ。
朝食を買いにピザ屋に行ってみるとまだ開店していなかった。
入り口に開店時間が午前11時と書かれていた。
僕はその開店時間を既に知っていたが、この時にはそれをケロッと忘れていた。
そこで仕方なく、近くの売店(ホテル内の)で、ジャムのたっぷり付いたパイと日本製のおにぎり、それから果実ジュースとペットボトル入りの水を買った。
果実ジュースは、日本で200円程度で買える物と同じに見えたが、それがそこでは5ドルか6ドルだった。
その値段の高さに躊躇したが、ここは少し贅沢をしよう、と考えて結局買った。
飲んでみると日本で200円程度で買える物よりも美味しい気がしたが、気のせいか?
自分の部屋で食事を済ませた後、発表するために会場へ行こうとしたら、会場へ行くためのエスカレーターが故障していた。
故障していたのは昇りのエスカレーターだけで、降りのエスカレーターは稼動中だった。
昇りのエスカレーターは立ち入り禁止とされ、数人の作業員さんがそれの修理に当たっていた。
これは、昇りも降りも両方とも停止、という状況よりも不都合だ。
仕方ないので僕は、「HNNNNNN・・・」と唸りながら降りのエスカレーターを駆け上がった。
それを見た人は驚いただろう、と僕は思う。
しかし、これは出来る事なのだ。
エスカレーターのスピードよりも、人間が階段を駆け上がるスピードの方が、普通は速いからだ。
始点と終点で足がもつれたりつまづいたりしない様に気を付けなくてはいけないので、単なるスピードだけの問題でもないが、僕にとってそれが出来る事は既に検証済みだった。
僕には、遊びで降りのエスカレーターを逆昇った経験が、何度もあるからだ。
発表会場へ向かう時に僕が履いていた靴は、靴裏まで皮製という、着こなし最優先のものだったので、女性に対するハイヒール靴の如くそれが走行を妨げはしないか、気がかりだったが、実際にエスカレーターを逆昇ってみると、妨げるどころか走行をシッカリと支えてくれたので、その靴の値段の高さと製造者の評判の高さの両方に納得した。
僕が何故そんな靴を履いていたかと言うと、学会出席時にはフォーマル度が最も高いものを履く事に僕は決めていたからだ。
悪天候でなければ国内でも僕はそれを履くことにしている。
皮は水に弱いので、悪天候の場合には靴裏まで皮ではマズイ。
エスカレーターを逆昇ると直ぐに、前日見た学会の受付があった。
そこで手続きを済ませると、受付の人の一人が英語で「一般会議はあちらですよ」と僕に促したが、その人の指差す向きが自分の行くべき方向とは反対だったので、僕は「僕は国際アウトリーチ会議のみに出席し一般会議には出席しません。国際アウトリーチ会議はKoko Craterで行なわれます。だから僕はKoko Craterに行きます」と英語で説明して自分の発表会場に向かった。
こうして僕は、定刻に遅れることなく十分な時間的余裕を持って、自分の発表予定会場に到着した。
会議の開始(=僕の発表の開始)は午前10時の予定だった。
発表会場での出来事についての報告は別記(
日米物理学会合同2006年秋季大会)します。
僕は、無事に世界の中心で文法主義を叫んだ後、自分への質問が来た場合に備えて室内に待機し、他者の発表にも良く耳を傾けた。
トイレに行くために最後のセッションが終わるより前に会場を出たのは午後5時ぐらいだった。
午前10時前からその時までに1回もトイレに行ってなかった僕は、一刻も早くトイレに行きたい状態に成っていた。
幸いトイレは直ぐに見付かった。
トイレから出てエスカレーターを見ると、昇りエスカレーターはまだ故障中(立ち入り禁止状態)だった。
ただし、もうそこには作業員さんは誰も居なかった。
降りのエスカレーターを使って1階に降り、ホテルのフロント脇の情報サーヴィスコーナーに行って、例の男の子に、まず学会からもらった食事券の適用範囲を尋ね、僕の場合にはそれは役に立たないと知り、次に「ハノハノルーム」について尋ねた。
予約制である事、普通は2日前ぐらいに予約する事、でも、その日は午後9時ともう1つの時刻に空きがある事、を知らされた。
ハノハノルーム専用の1階から直通のエレベーターがある、と聞いたのも、この時だ。
僕は肝試しにハノハノルームに行ってみる事にし、午後9時に予約を入れてもらった。
その男の子は僕に「服装はそのままでお願いします。靴も」と言った。
それまで僕は、他の客を真似て、また、ワイシャツとネクタイがくたびれるのを防ぐために、上半身はTシャツだけでホテル内を歩き回っていた。
その男の子の前にも僕はその格好で何度も現れていたので、心配したのだろう。
ハノハノルームでは、食事のための滞在時間はどのくらいまで許されるのか尋ねると、制限は無い、とのことだった。
僕が「日本ではお茶が出て来るとか聞きますけど」と言うと、その男の子は「そういう嫌がらせとかありませんから(安心してください)」と言い、隣の男の子は爆笑のあまり顔を歪めていた。
とにかく、その時の僕は、発表を成功させて開放感に満たされていた。
学会から支給された食事券はワインとチーズ用だった。
昔お酒を飲んでいた頃には僕はワインが一番好きだったが、今は僕はお酒を呑めない。