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2006年11月7日(火)晴れ
学会発表旅行記-3-
幸いな事に両替所のおばさんは日本語ペラペラだったので、両替所での会話は日本語に依るものと成った。
そこで僕は、所持金の約3分の1をドルに替えてもらい、ついでにホテルまでの交通手段について質問した。
その時に、空港からシェラトンワイキキホテルまでは結構な距離がある、という事が判明した。
僕は漠然と、ホテルなんてものは空港近辺に密集していて、その気があれば空港から歩いて行く事だって出来るだろうと、無根拠にイメージしていたので、タクシーかバスの使用が不可避だ、という事を教えられた時には、またしても頭の中で旅程認識の補正が起こった。
大阪までのバスとハワイまでの飛行機だけではなく、空港からホテルまでの移動も、侮れない重要な旅だったのだ。
自宅を出発する前から、今回の旅行の中で最も犯罪被害に遭う危険性が高いのは空港からホテルまでの移動部分だ、と認識していたので、この部分をゼロとは思っていなかったが、この部分を僕は、ほとんど地点ないしは時点として認識しており、長さを持った旅という風には認識していなかった。
僕は交通手段としてタクシーではなくシャトルバスを選んだが、これは、運賃だけではなく安全性も考慮に入れての事だ。
タクシーではボッタクリ等の被害に遭う危険性がある。
ボッタクリは運賃の違いに含められなくもないが、最悪の場合には犯罪被害はボッタクリに留まるとは限らない。
僕が尋ねると両替所のおばさんはタクシーの場合とシャトルバスの場合の標準的な運賃も教えてくれた。
僕はシャトルバスの乗り場の大体の位置を両替所のおばさんに尋ねて教えてもらい、そこまで歩いて行った。
行ってみるとそこには既に1台のバスが停まっていたので、僕はそのバスの運転手さんに英語で「このバスでシェラトンワイキキホテルに行けますか?」という意味の質問をした。
すると、運転手さんは英語で「このバスでは行けない」という事を僕に告げ、直ぐに携帯電話でシェラトンワイキキホテルに行くために使う事の出来るバスを呼んでくれた。
その人は僕に英語で、そのバスを待つための立ち位置まで教えてくれた。
これでホテルに到着できる事はほぼ確定だ、と思った事による気の緩みからか、立ち位置に立ってバスを待っている間に僕は、うかつにも、メッセージボードを車側に掲げて通り過ぎる自動車に手を振ってしまった。
すると、その自動車の人々は僕が反応した事に喜んで歓声を上げた。
僕はそれを察知して直ぐに「しまった」と思い、その自動車の方へは二度と顔を向けなかった。
その人たちが寄って来て、僕に何かの勧誘を始めでもしたら、厄介だ。
幸い、その自動車は、走り去ったまま戻っては来なかった。
しばらくすると、お目当てのシャトルバスが到着した。
僕は、英語で運転手さんにそのバスで間違いないかを確認して、間違いないとの英語の返答を得たので、そのバスに乗り込んだ。
僕の偏見かもしれないが、そのバスからは、まだバスにおける黒人差別があった頃の古いアメリカの雰囲気(何となく時代錯誤な感じ)を感じた。
運転手さんも僕の前の座席に座っていた人も何故か少し不機嫌だった。
空港の停留所の次の停留所あたりで運転手さんのアシスタントらしき女性が乗り込んで来て、バス内部の先頭付近で、メッセージボードを掲げて早口で英語で説明を行なった後、車内を巡回してチケットを販売し、直ぐに出て行った。
この人も、どことなく不機嫌に見えた。
早口すぎて僕には説明は全く聞き取れなかった。
その後しばらくして、渡したお金とチケットの値段の表記とお釣りとのツジツマが合わない事に気付き不審に思ったが、「表記されたチケット料金には運転手へのチップは含まれません」という但し書きを車内に見つけて、それで納得する事にした。
ホテルが空港から如何に遠いかを僕が正確に知ったのは、このバスで運ばれている時だった。
ハワイはアメリカなので、当然の事ながらハワイでは自動車が右側通行だった。
空港からしばらくは道がコンクリートだったので、アメリカでは車道はアスファルトではなくコンクリートなのか、と思ったが、空港から離れると道はアスファルトに成った。
途中で、運転手さんが何かのパンフレットを右列最前席の乗客に渡し、それが僕の所までまわって来た、前の座席の人からそれを手渡された右列の僕は「僕はそれを左列の乗客には渡さなくて良いのか」と前の座席の人に英語で尋ねようとしたが、上手く言えなかった。
前の座席の人は、それに対して少し不機嫌に「パスバイ」とのみ言った。
僕は「後ろに回せ」という意味だと解して、それを後ろに回した。
僕の直ぐ前の座席の人が不機嫌だ、と僕が感じたのは、その時だった。
結局、そのパンフレットは、U字を描いて全乗客に行き渡った。
それを見て僕は、自分が左列の乗客に渡す必要が無かったのは何故か、を知った。
左列最前席には若い女性が座っており、その人がそのパンフレットを最後に受け取ったが、枚数に余剰があったと見えて、その人は余剰分を床に落としてしまった。
その女性がそれを拾おうとする素振りを全く見せないので、僕は何となく、その人が不機嫌だと感じた。
しかしそれは、走行中のバスの中で床に落ちたパンフレットを拾う事が単に安全上の理由から忌避された、というだけのことかもしれない。
運転手とその女性との間に、その事についてだと思われる言葉のやり取りがあった。
僕は、シェラトンワイキキホテルを乗り過ごす事の無い様に、終始アナウンスに耳を凝らしていたが、運転手さんは、シェラトンワイキキホテル到着時には、顔を少し客席の方へ向けてハッキリ聞こえるように「シェラトンワイキキ」と言った。
僕に向かって言った様に見えたが、そこで降りる客は僕だけではなかった。
それを聞いて僕は直ぐに席を立って、運転手さんに英語で礼を述べて降りようとしたが、運転手さんは、僕に「少し待ってくれ」と英語で言い、ドアを開ける前にバスを少しバックさせた。
僕は、立ったままポールにつかまってバスの後進に依る慣性力をしのぎ、ドアが開くのを待って降車した。
降車すると、運転手さんが他の客の荷物をバスから取り出しているのが見えた。
僕は運転手さんに、購入したバスのチケットを渡そうとしたが、運転手さんは「その必要は無い」という素振りを見せたので、僕はそれを渡さずにホテルに入った。
僕には、自分が持っておくべき控えを、そうであるのかどうか迷う事が多い。